ダイイチスタジオ
「1滴にもう1滴注いでも大きな1滴になるだけだ。2滴にはならない …」
(アンドレイ・タルコフスキーの映画「ノスタルジア」の台詞から)
まだ学生だった頃、アンドレイ・タルコフスキーの映画を上映がある度に観に行っていました。
難解だと評されることの多い監督ですが、何だかよくわからないままその映像と言葉少なに語られるストーリーに引き込まれていました。
最初に記したのは、「ノスタルジア」という作品の中の、世界の終りを恐れて家族と共に家に閉じこもっていたドメニコという男の台詞です。
この映画の主人公、ゴルチャコフは焼身自殺を遂げたドメニコとの約束を守り、「境界のない世界」を生み出すのです。
「ダイイチスタジオ」の「ダイイチ」はここからとりました。ですから漢字で書くと「大一スタジオ」です。
誰か(あるいは何か)と強く結びつくということは、数が増えていくということではなくて、不可分な、より大きな別なものを作り上げることなのだと。音楽を作るのは一人では無理です、無理じゃないとしても楽しくはありません。このスタジオに集まって音楽を作るということが、不可分でより大きな何かを生み出すことであるのだと。そんな思いを込めました。
あとは、最初のスタジオなので「第一」、私の名前に「大」がつくので「儂が一番」、ということもかけてみました。
そんなことで「ダイイチスタジオ」という名前です。
スタジオという場があることで、作り手が自由になれるようにしたいです。
ここからこれまでとはちょっと違う形で、楽しい音をお届けします。
よろしくお願いいたします。
ダイイチスタジオ代表
おかもと だいすけ